2015年7月

ルール5が出来なきゃ論コミじゃない

こんにちは仁藤です。
酷暑の日々で身体が悲鳴を上げています。

さて、日々論理コミュニケーションの授業を行う中で
生徒は何を苦手とするのか、
論コミの全授業の中での要は何かが見えてきました。

現在中学3年生、高校1年生、2年生、3年生を教えています。
私は特に高校1年生と高校3年生を担当しているのですが、
高校3年生は教えることのレベルが高くなっています。
その中で、生徒が苦手とするところがはっきりしました。
それは

論理コミュニケーションのルール5の
「自分が書いた根拠と事例を基に意見を決める」
という事です。

論コミの授業の中で最も重要な所です。

生徒は多くの場合、パッとひらめいたアイディア(意見)に
なんとなく文章が整う根拠や事例をつけて、文章を仕上げる傾向にあります。
これは論理コミュニケーションではありません。
ただ単に、屁理屈のような根拠をつけることが論コミではないのです。

自分が今持っている(観察した・実験した・取集した・読んだ)根拠や事例で
何が言えるのかを考えることが論コミです。
だから、根拠ベースで考えると言えない意見が出てくるのです。
それを授業では教えていますが、全国いろいろな学校の生徒と
接していますがもれなくこの部分ができません。

意見⇒根拠⇒事例を書いてからもう一度意見に戻り
再検討するという過程が非効率的と思っているのか
なかなか意見に戻ってくれず、頭を悩ませています。

論コミ力が身についたといえるのは、
まさにルール5が出来た時なのです。
どんなに意見に根拠をつけることが出来るようになったとしても
どんなに事例を自分の言葉で語れるようになったとしても
ルール5が出来ていなければ全く意味がないのです。

今後の研究開発の要はこの力を身に付けるための
演習創りになりそうです。ちょっこし考えてみます。

教えるということ

こんにちは、仁藤です。

現在、各学校では期末テスト中です。
今年度は3校の授業を担当しています。
また、Jcom湘南さんで高校生向けの公開授業を行っています。

それらを授業する中で気が付いたこと。
それは、結果を教えるのではなく、プロセスを身に付けさせることの大切さです。

例えば、論コミの授業であれば
「文章が論理的にかけている」
「要約文が書けている」
というのは結果です。
生徒を注視していると、結果としては解答例のような
文章を完成させている生徒でも、その解答プロセスを見ると
全く論理的に行えていないことがあります。
これは、作品としてはできていますが、長い目で見るとできていません。
わかっているようで、わかっていません。

この子たちをいかに授業内であぶり出し、
彼らに正解をもとめるのではなく、そのプロセスの習得を目指すように
仕向けられるかというのが、最近の私のテーマです。

そこで、今年から要約指導の方法を少し変えています。
具体的には、要約の意思決定のプロセスをいちいち発表させるという方法です。
「なぜ、それが重要だと思ったのかを生徒自身に説明させる」練習を
授業の中に沢山組み込んでいます。
友達の説明を聞くと、これまで「なんとなく」文章を書いていた生徒にも
気付きがあるようで、生徒の答案のプロセスが変わってきました。
これがなかなか生徒の力になっているようです。

まだまだ始めたばっかりなのですが、
これからも生徒の変化を注視して授業を改善していきます。

仁藤