勝てる場所と勝たなければいけない場所

今日、collaboyou組合員である慶大の梅嶋さんと話したことを
blogで共有します。

私達は文章を読んで要約文を書くという練習を
授業内で行います。
それは、筆者が言わんとしている「意見」と「根拠」を
分解して整理し理解することです。
つまり、筆者の主張の構造を分解するということ。

これが出来るようになると、感情的に
「なんとなく全部否定」したり、「なんとなく全部肯定」したり
という行動がなくなるよねーという話をしていました。
論理を分解するので、「あ、ここは一緒だけど、ここが違うや」という
理解の仕方になるためです。

これは、人と話したり本を読むんだりするときだけでなく、
何か課題にぶつかった時も同じです。
課題が生じた原因(根拠)を分解して整理することで
どこを解決しなければいけないかが見えるので、
課題が生じたこと(意見)を見ただけで落ち込むということがなくなります。
落ち込むときは、その対象が見えていない時ですよね。

でも大切なのは、この分解だけでは何も生まれないということ。
分解できたら、解決策をデザインしなければ意味が無いですね。
文章を読んで、理解できた先には、自分の意見を言うターンがこなければ意味が無いということです。

その解決策を考える(自分が動く)ターンというのは、
分解のターンとは異なり、不確実性が高くなります。
失敗の確率が高いということ。
でも、それをわかっていても尚、設計に調整しなければいけません。

100%勝てる場所(不確実性0%)を探して設計しても
成長できないのです。不確実性の中で設計し挑戦する経験を
積めば積むほど、実践力は高まっていきます。

これは、私自身も常に感じていることです。

だから、「勝てる場所より、勝たなければいけない場所」なのではないかと
梅嶋さんが言ってました。私もそう思います。
勝たなければいけない場所というのは、負ける可能性が高いから
全力出して勝たなければいけないということです。

この全力を出すという行為が、案外むずかしいものです。
学校教育が整備された中で育った子どもたちは、
”そこそこ”という感覚が身についてしまっています。
「このくらいやっとけばいいんでしょ?」という感覚です。
答えを早く聞きたいと思ったり、効率のよい学習法を探したりする行為は、まさに全力を出していない証拠だと思うのですが、どうでしょう。

私達が目指す授業は、この「勝たなければいけない場所」に
挑戦できる人を育てることだと思います。
それは、不確実性の中で生き抜く力とも言えます。(かね?)

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