何かを伝えるための道具としての英語を。
英語教育プログラム
何かを伝えるための道具としての英語を。
英語教育プログラム
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目標を限定
目標「自分の興味・関心のある分野について、会話における相手の情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を身に付ける。」 認知心理学の点から、外国語としての英語を流暢に話せるようになることはとても難しいことがわかっています。だから、目指すのは、ネイティブのような英語ではなく、まずは自分の言いたいことを伝えることができることです。
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英単語を限定
語彙は、Oxford English Corpus(OEC) が選んだ”Top 1000 frequently used words.”(OEC1000)。つまり、1000語に限定しています。 OECを使用した理由は、Oxford English Dictionaryは彼らが世界最大の辞書だとうたっており、信頼される辞書の1つであるためです。また、コーパスによる頻度順にした理由は、使われる頻度が高いということは、可能性として学習者がこれから出会う確率が高い単語だからです。目標に定めている「興味・関心のある分野」は生徒それぞれ違うはずなので、生徒に提供する語彙は特定の分野に限定されてない単語がよいと考えています。ただ、OEC1000は政治・経済用語が多いように感じるため、生徒に提供する際にはOEC1000をCEFRのA1~C2に沿ってレベル分け提供をしています。
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知識の活用練習
覚えたものを自動的に使えるようになるまで練習をします。覚えるだけでは使えない、というのは誰もが経験していると思います。英語も同じです。単語を知っているだけでは、話すことはできません。その際、形式だけの練習では、意味を伝えることを考えながらの発話には生かしにくいため、練習の中で意味を考えつつも繰り返す練習を取り入れています。
オリジナルテキストを使用しています。
テキストに使用されている語彙は、OEC100を中心としたOEC1000です。Oxford English Dictionary によれば、OEC100はコーパス全体の50%、OEC1000は75%にあたると言われています。つまり、世界中から主にウェブ上で使用されている英単語を集めたらその75%がこの1,000語で占められているということです。このテキストを1冊使えば、OEC1000に全て出会えるように作られています。 それに加えて、このプログラムの対象者が高校生であるので、中学でほとんどの生徒が学んだとされる基本的な語彙も含まれています。その選択基準は6社ある教科書会社が使用している語彙を全て比較し、6社中6社すべてと、5社が使用している語彙がテキストに使用されています。 また、OEC1000をヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のA1~C2と掛け合わせ、レベル分けをし、提供します。A1の単語ほど多くテキストに出てくるため、重要な単語ほど何度も出会い、自然と身につくことが期待できます。※OEC100:https://en.oxforddictionaries.com/explore/what-can-corpus-tell-us-about-language ※OEC1000:上記研究論文Appendix 10参照
テキストの構成
テキストは大きく分けてChapter1, 2 とWordlistで構成されています。各レッスンで取り上げられているのは、OEC100の中から更に重要だと考えられた単語です。各レッスンでは、まずその取り上げられた単語のコアのイメージを知り、たくさんの例文とイラストでその単語を学びます。テキストではイラストが多用されている理由は、イメージで覚えることで記憶が強固なものになるためです。これは、認知心理学における長期記憶研究と最新の脳科学の観点から湯舟(2008)が英語教育への方法論として示唆しています。
※湯船英一(2008)「長期記憶と英語教育 (2)― 記憶の曖昧性、LTPとヘブ則、記憶と情動、記憶と年齢、記憶の累積効果 ―」pp. 103-119東洋大学人間科学総合研究所紀要第8号. https://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/819.pdf(閲覧日2016年9月21日)